折々の記（64）
去る5月25日、乃木坂の国立新美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展」を見に行った。米国のメトロポリタン美術館はニューヨークのセントラルパークにあり、広大な建物の中に絵画、彫刻、美術工芸などの膨大な美術品を展示しており、筆者も米国滞在中に訪問した思い出がある。今回はそのコレクションの中から西洋絵画の作品65点が展示されていた。展示品は、1．信仰とルネサンス、2．絶対主義と啓蒙主義の時代、3．革命と人々のための芸術、の3部門に分けて展示されていた。この中で、キリストの磔刑、聖母子、玉座の聖母子と二人の天使、男性の肖像（ベラスケス）、女占い師、ヴェネツイア サンタマリア デッラ サルーテ聖堂の前廊から望む（ターナー）、睡蓮（モネ）などの有名な作品が展示されていた。特にIの部では、ルネサンス時代の絵画のモチーフとしてキリスト教信仰の重要性がよく分かる作品が多かった。
米国のメトポリタン美術館を訪問したのは1979年で、その時は膨大な展示品に圧倒された記憶がある。その際は展示品が余りにも多く、個々の作品をゆっくり鑑賞することもできなかった。今回は選ばれた作品をゆっくり見ることができた。