折々の記（47）
去る1月24日、サントリーホールで日本フィルハーモニー交響楽団によるコンサートが開催された。プログラムは、グリーグ：ホルベルク組曲より前奏曲、グリーグ：ピアノ協奏曲、シベリウス：交響詩フィンランデイア、グリーグ：ペールギュントよりオーゼの死など、ピアノ独奏田部京子、指揮小林研一郎であった。今日は朝から冷たいみぞれが降り、寒い季節にふさわしい北欧音楽のプログラムであった。田部京子は、東京芸大付属高校在学中に日本音楽コンクール優勝。ベルリン芸術大学で学び、エピナール国際ピアノコンクール優勝などの輝かしい経歴の持ち主で、現在国内外のオーケストラと共演している。今日の演奏は、北欧の詩情豊かな情景を思い起こさせる素晴らしいものであった。フィンランデイアを聴きながら、この曲を初めて聴いた時のことを思い出していた。たしかＮＨＫ交響楽団によるテレビ放送で、大学1年時であったと思う。その時は何となく気持ちが高ぶったと記憶している。
本日の客の入りは５割程度であった。緊急事態宣言下で、入館時の手指消毒、検温などがあり、マスク着用が義務付けられた。楽団の収支はギリギリの状況で、３月の決算では赤字の可能性もあるという。