第３日目、朝食後エジンバラから湖水地方へ移動した。途中、グレトナ・グリーンというところで休憩した。ここは、 スコットランドとイングランドの境の村で、ブラックスミス鍛冶屋の建物が残っていた。日本でいう駆け込み寺で、当時離婚が認められて いなかったイングランドの女性がスコットランドにあるこの鍛冶屋に逃げ込み、鍛冶屋と牧師の承認があれば離婚できたという。イングラ ンドとスコットランドが合併したのは18世紀に入ってからである。

次に、ウイリアムワーズワースが妹のドロシーと暮らし始めたダブ・コッテージを訪れた。ここは、有名なスイセン の作品が生まれたところである。コッテージ近くで昼食後、ワーズワースが晩年まで過ごしたグラスメーア湖畔のライダルマウントの住宅 と美しい庭園を見学した。中央の芝生の周囲に林を通る遊歩道が設けられており、メイフラワー、シャクナゲ、藤などの花が咲いていた。

その後、ピーターラビットの作者、ベアトリクスポターが住んでいたヒルトップ農場へ行った。住宅は狭く、室内には ピーターラビットの本が置いてあり、挿絵に使われていた品々が残されていた。挿絵は元々白黒だったのを出版社がカラー版にしたという。 その後、彼女の夫が住んでいたホークスヘッドへ行った。ワーズワースが通ったグラマースクールが残されていた。日本の昔の小学校の 教室といった雰囲気だった。その後、今宵の宿であるニューバイブリッジ前のスワンホテルに向かった。

第４日目、早朝にニューバイブリッジをスケッチした。この橋は１７世紀に造られ、レンガ造りでウインダミア湖に 繋がる水路に懸けられている。清潔で美しいホテルと古いブリッジという取り合わせで、中々よい雰囲気だった。朝食後、ホテル近くの ハーバーウエストからレークサイドまで蒸気機関車トーマスが牽引する汽車に乗り、約20分のＳＬの旅を楽しんだ。汽車を降り、レークサ イドからボウネスまで40分ほどのウインダミア湖クルーズ船に乗った。英国の湖が細長いのは氷河によって削り取られて出来たかららしい。 両岸の単調な風景に少し飽きてきた頃、終点に着いた。昼食はボウネスの町のレストランでローストビーフだった。このビーフもバーで 買った英国の地ビールも中々旨かった。これで、自然派に人々にこよなく愛された湖水地方の旅も終った。

午後はリヴァプ−ルに行き、マシュー通りでビートルズが無名時代に出ていた「キャバーンクラブ」やポールマッカー トニーの像などを見た。1961年、ジョン レノン等4人がこのクラブでデビューを飾った、その後、アルバードッグという波止場町に行き、 ビートルズゆかりのグッズなどを売っている店に寄った。この辺りは新開地だが、市が期待したほどは発展していないという。独特な近代 建築のメトロポリタン大聖堂やそれと対照的に古いリバプール大学の建物を見ながら今宵の宿であるチェルトナムの「ラマダジャービス」 に向かった。

ダブコテージの前にて	ポターの家のガーデン
ポールマッカートニーの像	リバプールの街中にて