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世界で一番幸せな国コスタリカ


去る5月7日、NHKBS３チャンネル（世界ふれあい街歩き）で世界で一番幸せな国として中米のコスタリカを紹介していた。そこで、日本人には余り馴染みがないこの国について調べてみた。コスタリカの人口は2018年の時点で約４９９万人で、首都は標高１２００メートルのサンホセであり、公用語はスペイン語で人民の約９５％ はスペイン系と先住民との混血である。コスタリカには２０もの火山があり、気候は温暖で国土は肥沃な黒ぼく土に覆われており、コーヒー栽培に適している。
コスタリカでは1948年に内戦が勃発し、農村出身のホセが勝利して1949年に憲法で軍隊を放棄した。万一自国が攻められた時には他の国々が保護してくれ、国内の治安は警察が中心となって維持している。軍事費はゼロ なので、予算を教育や医療に振り向けている。医療は国民皆保険制度で、国民の窓口負担はゼロである。無保険者には救済措置があり、診療を断れられることはない。コスタリカは周辺国の平和維持にも取り組み、1987年には中米各国の大統領を招き、平和の維持・推進の必要性を訴えている。テレビ番組では、コスタリカ市民の声も報じていた。コスタリカの街の人たちは、「日本も戦争を放棄しており、軍事予算を教育や医療に回していますね。」と言っていた。しかし、現実には日本は米国の傘の下に入っていて、有事には米国を守るために自衛隊を派遣しなくてはならないことをコスタリカの人たちは知っていないようである。

ところで、現在世界中で猛威を振るっているコロナウイルス感染症(Covid-19)に対してコスタリカはどのように対応しているのであろうか。コスタリカでは、2020年3月6日に初めての感染者が確認された。この患者は米国人女性で、コスタリカ国内旅行中に発症した。コスタリカ旅行前に夫がニューヨークで感染症患者との接触歴があった。コスタリカでは、COVID-19感染に対して早期に検査キットと要員を増やし、1日当たり600人の検査を実現させ、入院が必要でない軽症者や無症状者は自宅に隔離させた。その結果、5月10日現在死者7人に押さえ込んでいる。コスタリカでは、感染者の初確認から僅か10日後に大統領が非常事態を宣言した。これは国内で初めての感染者が認められた2か月前から緊急対策のための会合を重ねてきた結果である。ダニエル サラス保険大臣が感染症の専門家であることも幸いした。ただ、最近都市部で麻薬患者が増加傾向にあるという問題点も指摘されている。

以上、世界で一番幸せな国コスタリカを垣間見てきたが、軍事・医療など日本と共通する面もいくつか見られる。日本も「幸せな国」と言えるのであろうか。
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