キノプロール（quinoprol:一般名：ipflufenoquin、商品名ミギワ他）は日本曹達が開発した新規フェノキシキノリン系の殺菌剤である。本剤は果樹や野菜などに寄生する黒星病、うどんこ病、灰色カビ病などの病害に優れた防除効果を示す。国内では、2014年より公的委託試験が開始され、2020年に農薬登録された。本剤の作用機構は、ピリミジン生合成経路上ジヒドロオロト酸からオロト酸への変換を触媒するジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼを阻害することで病害防除効果を発揮するとされる。本剤は、DMI殺菌剤に耐性を示す病原菌にも有効である。
本殺虫剤のラットに対する急性経口毒性および急性経皮毒性は共に >2000mg/kg、吸入毒性はLC50>1.60mg/Lである。土壌中半減期は71日（火山灰土）で、ミツバチなど有用生物に対する毒性は低いかあるいは全くないと報告されている。
