テトラニリプロール（tetraniliprole:商品名ヨーバルフロアブル他）は独バイエル社が開発した新規アントラニルアミド系の殺虫剤である。本剤の作用機構は、昆虫筋小胞体のグアノジン受容体に作用してカルシウムイオン放出による筋収縮を引き起こすことによる。本殺虫剤はチョウ目、コウチュウ目、アザミウマ目、アブラムシ、コナジラミなどの幅広い害虫類に活性を示す。水稲に対しては、移植栽培だけでなく、鉄コーテイング直播や乾田直播にも使用可能である。2022年6月現在、単剤6種、イソチアニルなどとの混合剤6種が日本国内農薬登録されている。
本殺虫剤のラットに対する急性経口毒性および急性経皮毒性は共に >2000mg/kg、吸入毒性はLC50>5.01mg/Lである。土壌中半減期は183日（シルト質壌土）で、ADIは0.88mg/kgbw/day（イヌ1年間慢性毒性試験準拠）と設定され, ARfDは設定の必要ないとされている。
