ミニ解説（193)

21世紀の新農薬（99）オキサゾスルフィル

オキサゾスルフィル（商品名：アレス箱粒剤他）は、住友化学が開発した新規ベンゾオキサゾール系の殺虫剤で、2023年1月現在イネ育苗箱、播種時、播種前処理に単剤として、またイソチアニル、ジクロベンゾチアゾクスとの混合粒剤が国内登録されている。対象害虫は、イネミズゾウムシ、ウンカ類、ツマグロヨコバイ、ニカメイチュウなどで、フィプロニル剤や一部のネオニコチノイド剤に対して感受性が低下したウンカ類にも有効である。
本殺虫剤の詳しい作用機構は不明であるが、昆虫の神経系に作用すると考えられている。本剤のラットに対する急性経口毒性は、300〜2000mg/kg,急性経皮毒性は>2000mg/kg、急性吸入毒性は >2.03mg/Lと報告されている。土壌中運命は、推定半減期が7.9日（火山灰土）、3.2日（水田土）と報告されている。本殺虫剤のADIおよびARfD（急性参照用量）は、それぞれ0.05mg/kgbw/dayおよび0.25mg/kgbw/dayと設定されている。