ミニ解説（189)

21世紀の新農薬（95）ピロキサスルホン

ピロキサスルホン（商品名：ソリスト顆粒水和剤他）は、（株）ケイアイ研究所、クミアイ化学工業（株）、クミアイ化学工業（株）、イハラケミカル工業（株）が開発したイソキサゾリン系の除草剤である。国内での初年度登録は平成26年7月で、令和3年4月現在単剤6、ジフルフェニカンとの混合剤1の登録がある。本除草剤は、日本芝、セエンチピートグラス、樹木園（公園、駐車場、道路など）の1年生雑草の防除に適用される。
ピロキサスルホンの作用機構は、植物のワックス層構造を構成する成分である超長鎖脂肪酸の合成阻害と考えられている。本除草剤の土壌中残留性は、好気的土壌中での半減期が142〜148日と報告されている。ラットに対する急性経口毒性、急性経皮毒性は何れも>2000mg/kgと報告されており、急性神経毒性は認められていない。ピロキサスルホンの非食用農薬ADIは0.02mg/kgbw/day、急性参照用量は0.1mg/kgbw/dayと設定されている。