ミニ解説（182)

21世紀の新農薬（88）フルキサメタミド

フルキサメタミド（商品名：グレーシア）は、日産化学が開発したイソキサゾリン系の殺虫剤である。本殺虫剤は、野菜、果樹、マメ類、イモ類、茶、花などに寄生するチョウ目、アザミウマ目、ハエ目、ダニ目、甲虫目及び1部のカメムシ目害虫などに有効である。この殺虫剤は、害虫のGABA作動性クロライドチャネルを選択的に阻害する。国内における初年度登録は平成31年1月で、2020年11月現在水和剤,乳剤各1剤の国内登録がある。
フルキサメタミドの土壌中半減期は、好気的土壌で52日、嫌気的土壌で498日、ラットに対する急性経口毒性は>2000mg/kg、急性経皮毒性は>2000mg/kgと報告されている。フルキサメタミドの急性神経毒性は認められていないので、ARfDは設定されていない。フルキサメタミドのADIは、ラットでの2年間慢性毒性データから0.0085mg/kgbw/dayと設定されている。