ミニ解説（180)

21世紀の新農薬（86）トリアファモン

トリアファモン（商品名：カウンシル他）は独バイエルクロップ　サイエンス社が開発したスルホンアミド系の除草剤である。本除草剤は、水田の一年生雑草やマツバイ、ホタルイなどの防除に使用される。直播水稲にも適用される。国内における初年度登録は平成28年4月で、2020年9月現在、本除草剤を含む41剤の国内登録があり、すべて混合剤である。混合剤の配合相手は、フェンキノトリオン、フェントラザミド、テフリルトリオンなどである。本除草剤の作用機構は、代謝物のアセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害であり、イネ・雑草間の代謝の違いにより選択性が生じる。
トリアファモンの土壌中半減期は0.7日（水田土壌）であり、土壌蓄積性は認められない。トリアファモンのラットに対する2年間の慢性毒性試験データに基づくADIは、0.019mg/kgBW/dayで、ミツバチ、水生昆虫、鳥類などに対する毒性はきわめて低い。