ミニ解説（178)

21世紀の新農薬（84）トリフルメゾピリム

トリフルメゾピリム（商品名：ゼクサロンなど）は、米国デユポンが開発したメソイオン 系の殺虫剤である。我国では、2020年7月現在単剤として粒剤2種、混合剤として15種の登録がある。適用は、 主としてウンカ、ツマグロヨコバイなどを対象とするイネ箱育苗である。混合剤の配合相手は、クロラントラニリプロール、トリプロカルブ、シメコナゾールなどで、ニカメイチュウ、いもち病などへの適用拡大が図られている。トリフルメゾピリムは、ニコチン性アセチルコリン受容体と結合して昆虫の神経伝達を阻害する。 本殺虫剤のラットに対する急性経口毒性は、LD50 >5000mg/kg、急性経皮毒性はLD50 >5000mg/kgである。一方、ミツバチ、魚類、藻類などの有用生物に対する毒性は低い。トリフルメゾピリムの土壌中半減期は、好気的 土壌中では43.6〜164日、嫌気的土壌中では226〜428日と報告されている。トリフルメゾピリムのADIは、ラットにおける急性毒性試験データに基づいて、0.032mg/kgbw/dayで、急性参照用量は、1mg/kgbwである。