ミニ解説（175)

21世紀の新農薬（81）インダノファン

インダノファン（商品名：日農マサカリジャンボなど）は、オキシラン系の水稲用除草剤である。国内での初年度登録は平成１２年８月に遡り、令和２年２月現在単剤１種、混合剤 約１３種が国内登録されている。混合剤の配合相手は、クロメプロップ、ダイムロン、ベンゾビシクロンなどである。インダノファン剤は、水田の難防除雑草のノビエ、マツバイ、ホタル イ、ウリカワ、ミズガヤツリなどに有効である。混合剤はノビエをはじめとして難防除雑草に対する効果が増強されている。本除草剤は当初三菱化学の研究陣により発見され、コード番号 MK-243として国内委託試験で優れた除草効果を示し、その後日本農薬に譲渡された。インダノファン剤は、水稲用除草剤のほかに芝用としても登録されている。
インダノファンの作用機構は、脂肪酸鎖延長阻害である。インダノファンの安全性であるが、ＡＤＩは0.0035mg/kg体重/dayで、ラットに対する急性経口LD50 >2000mg/kg, 急性経皮LD50> 2000 mg/kg、急性吸入毒性 >1.57 mg/L （曝露3〜4日）と報告されている。インダノファンの土壌中半減期は、容器内水田土壌で推定３〜７日である。