ミニ解説（168)

21世紀の新農薬（74）フェンキノトリオン

フェンキノトリオンは、クミアイ化学工業が開発した水稲用の除草剤である（商品名エフィーダ）。本剤は、水田の広葉雑草、カヤツリグサ科雑草などの問題雑草に有効で、スルホニル ウレア抵抗性の雑草にも効果がある。フェンキノトリオンは、平成30年2月初年度国内登録を取得し、令和元年7月の時点で、混合剤を含めて27剤の国内登録がある。この除草剤は雑草の 茎葉部や根から吸収され、枯殺させるが、水稲に対する安全性は高い。フェンキノトリオンの作用機構は、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸オキシゲナーゼ阻害であり、カロテノイドの 生合成を阻害する。フェンキノトリオンのラットに対する急性経口毒性および急性経皮毒性は >2000mg/kgであり、皮膚刺激性はない。本除草剤の土壌残留性に関しては、沖積土壌で 45日前後、火山灰土では60日前後で検出限界以下となったと報告されている。