ミニ解説（167)

21世紀の新農薬（73）ピラジフルミド

ピラジフルミドは、日本農薬が開発したピラジンカルボン酸アミド型の殺菌剤である（商品名パレードフロアブル他）。本剤は、ハグサレ病、タンソ病などの芝病害、果樹、まめ類、 野菜、花卉などの灰色カビ病、菌核病、うどんこ病などに有効で、令和元年5月現在単剤3剤、混合剤2剤（ピコキシストロビン、フルトラニルとの合剤）の農薬登録が取得された。本殺菌 剤の作用機構は、病原菌のミトコンドリア電子伝達系複合体IIの活性阻害であり、ＳＤＨＩ剤（コハク酸脱水素酵素阻害剤）に分類される。本殺菌剤のラットに対する急性経口LD50値は、 >2000mg/kgであり、ウサギに対する経皮刺激性、眼刺激性はない。コイ、ミジンコ、藻類などの有用水生生物に対する毒性も低い。