ミニ解説（155)

21世紀の新農薬（61）フェンピラザミン

フェンピラザミン（商品名ピクシオドライフロアブル）は、住友化学が開発したアミノピラジリノン系殺菌剤である。我国では、平成25年7月に農薬登録され、カンキツ、ブドウ、 イチゴの灰色かび病、キュウリ、トマト、ナスの灰色かび病および菌核病に適用を有している。海外では我国より早く、イタリアで2012年に上市されている。また、EU20ヵ国以上、 中近東数ヵ国、オーストラリア、ニュージーランドなど計30ヵ国以上で農薬登録が取得されている。

フェンピラザミンの作用機序はエルゴステロールの生合成阻害で、病原菌の胞子発芽管の伸長と菌糸の生育を抑制して殺菌効果を発揮する。フェンピラザミンのラットに対する 急性経口毒性は、LD50>=2000mg/kg、急性経皮毒性は、LD50>2000mg/kg、有用生物に対する毒性は低い。その土壌中の半減期は、火山灰土圃場で30日 と報告されている。