ミニ解説（152)

21世紀の新農薬（58）フェノキサスルホン

フェノキサスホン（商品名：スパーダなど）は、クミアイ化学がイハラケミカルおよびケイ・アイ研究所と共同開発したイソキサゾール系除草剤である。この除草剤は、水田の1年生 雑草を対象に、１０アール当り２０グラムの低薬量で、雑草発生前からノビエ２．５葉期までに除草効果を示し、スルホニルウレ系除草剤に耐性の雑草にも有効である。また、 この除草剤は日本芝、西洋芝を対象としても登録されている。本除草剤の初年度登録は平成26年5月で、現時点で単剤３種、混合剤27種が登録されている。剤型は、 水和剤、粒剤、ジャンボ剤、フロアブル剤など多様である。

フェノキサスルホンは、植物の超長鎖脂肪酸の生合成を阻害し、ワックス層形成を阻む。

フェノキサスルホンのラットに対する急性経口ＬＤ50>2000mg/kg、急性経皮ＬＤ50>2000mg/kg　と報告されている。本除草剤の水中および土壌中動態 に関しては2015年度の農薬学会大会で発表されており、水田植壌土、軽植土などでの半減期は9〜12日程度である。