ミニ解説（149)

21世紀の新農薬（55）メタゾスルフロン

メタゾスルフロン（商品名：ツインスターなど）は、日産化学により発見されたスルホニルウレア（ＳＵ）系の水稲用除草剤である。作用機構は、アミノ酸 生合成に関与するアセト乳酸合成酵素を阻害する。本剤は、平成25年2月に国内で初年度登録され、平成２８年４月現在、１キロ粒剤、ジャンボ剤、水和剤などの剤型で 各種除草剤との混合剤が計３４剤登録されている。

メタゾスルフロンは、水田のヒエなどのイネ科雑草、マツバイ、ホタルイ、ウリカワなどの多年性雑草に対して6〜12g/10aの薬量で有効で、ＳＵ系除草剤に抵抗性の雑草 にも効き、イネに対する薬害は極めて低い。本剤は、イネ移植後5日からノビエの3葉期まで水田に施用する。

メタゾスルフロンのラットに対する急性経口ＬＤ50>2000mg/kg、急性経皮ＬＤ50>2000mg/kg　と報告されている。メタゾスルフロン のコイ、ミジンコ、ミツバチなどの有用生物に対する毒性は低い。