ミニ解説（139)
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21世紀の新農薬（47） d-リモネン
d-リモネン（商品名オレンジパワー）はオレンジジュースの絞りかすを精製したもので、米国のベンチャー企業により開発された。日本市場へはエス・デイー・エス バイオテックにより導入
され、宅地、公園、駐車場、道路、のり面などの雑草（草丈は２０センチ以下）に茎葉散布して枯死させる。日本での初年度登録は平成２４年４月で、現在１０％乳剤、７０％
乳剤および原液が登録されている（販売はフマキラー）。d-リモネンは親油性で水に極めて溶けにくい(log Pow=4.57)。植物体の細胞膜や細胞壁を破壊して枯死させる。
除草作用の発現は迅速で、散布後十分程度で作用が現れる。
d-リモネンのラットに対する急性経口ＬＤ５０値は、＞２０００mg/kg、急性経皮ＬＤ５０値も ＞２０００mg/kgと報告されている。また、ウサギに対する皮膚および眼刺激性は中程度、モルモットに対する皮膚感さ性は陰性となっている。なお、d-リモネンは食品衛生法 によりヒトの健康を損なう恐れが無い添加物に指定されている。安全と認められるので、反復毒性試験、有効成分の性状、安定性試験成績などの提出は免除されている。